大型免許を取ってすぐ、自分がバイクを買えるなんて、全然思ってもいなかった頃、近所のディーラーに試乗に行った。
雑誌の試乗レポート・・・とはいかないが。
大型二輪免許を手に入れて舞い上がっていた時の文章で、かなりイタい???
またまた、今読むと恥ずかしくなってくるテンションである。

2008年6月22日(日)
ハーレーの試乗のため、近所のディーラーへ。

目当ては、スポーツスターの試乗だったが、この店の試乗車は、ソフテイルデラックス(FLSTN)とV-ROD。
V-RODは取材に貸出し中とのことだが、正直、この車にはあまり興味はない。
ソフテイルは跨ってエンジンをかけさせてもらい、試乗も勧められたが、大きさと豪華さに少し気後れ。
フロントコントロールとフットボードに少し不安感があったこともあり、試乗は辞退した。
スポスタの試乗車を問い合わせたところ、本店にあるとのこと。
さっそく連絡をとってもらい、本店に向かう。

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準備されていた試乗車は、黒のSPORTSTER XL1200L。
大型二輪免許を手にして3日目、はじめての大型二輪での公道走行である。
また、教習所と原付スクーターを別にすれば、25年ぶりの二輪でもある。
跨ってみると、ポジションは意外に普通で、いくらか上体が起きぎみかという程度のもの。
スポスタはニーグリップができないと言われ、確かに教習所で試乗した883ではそのとおりだったが、1200はタンクが大きくなったせいか、十分とは言えないまでも、ニーグリップが全く不可能というわけでもない。
また、タンクが大きくなったことで、車格もひとクラス上に見える。

一通り、操作説明を受ける。
ウインカーの操作が左右別々で、4輪と同様、自動で消えるなど、少し戸惑う。

エンジンをかけると、やはり振動は激しい。
大袈裟に震えるエンジンと、それを抑えきれずに、一緒になって震える車体。
手が痺れたりミラーがブレて見えなくなったり等、不快というほどのものではないが、常に「ハーレーに乗っている」ということを意識させられる。
排気音もそれなりに大きく、信号で停車中など、少々アクセルを煽ると、周囲の視線を浴びて、慌てることになる。

883と比べると、1200のトルクは非常に強力。
もちろん、その感触は同クラスのDOHCマルチとは異なり、「吹け上がり」などという言葉とは無縁。
アクセルを開けると、ゆっくりと、しかし確実にスピードを上げて行く。
シリンダー内での爆発の一つ一つが、車体を強く前に押し出して行くのを感じとれる。
少し気になったのは、1,2速の低回転域で、アクセルの開閉に過敏に反応する点。
ギアまたはドライブベルトのアソビが影響するのか、不注意なアクセル操作をするとギクシャクした動きになる。
XL1200系の欠点として耳にしたことがあるが、これのことか?
おそらく、慣れれば気にならないレベルとは思えるが。


スポーツ…を名乗るバイクとはいえ、やはりハーレー。
加速性能やコーナリングを楽しむバイクではない。
意識して高めのギアで走り、低回転でのドコドコ感を楽しむ。
もちろん、高速での走行が苦手というわけでは無いが、敢えて飛ばそうという気にはならない。
どんな状況でも、その強大なトルクで、強引に走りきってしまう、ある種の鈍重さとも言うべき乗り味を楽しむとよい。

そして、もうひとつ。
自分が乗っているのがハーレーであるということ、それ自体が楽しい。
周囲の視線を感じた時、他のバイクと並んだ時など、正直なところ、優越感を禁じ得ない。
試乗車であって、自分のバイクではないのに…である。

260kgもある、リッター超えの大型車でありながら、威圧感など、全く無い。
作りも装備も雑っぽく、高級感もない。
ぶるぶる震えて、乗り心地が良いとも言い難い。
力は強いが、速くはない。
評価らしきことを書いていくと、ネガティブな単語が並んでしまう。
しかし、そんな理屈では説明しきれない、良さがある。。

 

2台目の試乗は、定番、ダイナ ローライダー:FXDL。
スポスタの試乗が目的ではあったが、もう1台の試乗車がローライダーと聞き、試乗させてもらうことにする。
大きく、低く構えたスタイルは、存在感十分。
105周年記念のカラーリングも高級感があっていい。
スポスタとは異なり、いかにも「ハーレーだ!文句あるか?」と言わんばかりの威圧感である。
そこには、FL系(ツーリング、ソフテイル)のようなナルシズムは感じられない。
国産アメリカンのような優等生とも違う。
質実剛健とでもいうべきか。

店のスタッフの薦めもあり、タンデムで試乗してみる。
嫁は、迷っている風を見せながらも、満更でも無い様子。
軽く乗り方をレクチャーして、跨る。
バイク自体に重量があり、嫁の体重が軽い事もあってか、タンデムがほとんど負担にならない。
余裕のトルクでタンデムを楽しめる。
後ろは少し興奮ぎみだが、怖がってはおらず、楽しんでいる様子。
強烈な振動に対しても、特に苦情はない。(腰に悪そうみたいな事は言っていたが。)
走行中の会話も可能で、タンデムでの試乗を楽しめた。


以下、本来の試乗感。
跨って車体を起こし、スタンドを跳ね上げる。
重心が低いせいか、思ったより軽く、この時点で、巨体に対する不安感、気後れは消えてしまった。
スタータスイッチは長めに押す。
キュルキュルと頼りないセルの音が続いた後、「ドゥルン!」という衝撃音とともにビッグツインが目覚める。
エンジンが、目で見てわかるほど震えているのは、スポスタと同じ。
そして、その振動は、スポスタ以上。

車の流れの切れ目を選んで、いくらか慎重にスタートさせる。
走り出してみると、全く何の不安感もなく、非常にスムーズ。
トルクは強力で、300kgを軽く超える車重+俺の体重+タンデム(合計500kg近い?)をものともせず、強引に押し出す。
ほとんどアクセルを捻ることなく、アイドリングでの発進も可能なほどである。
こちらも、高めのギアで低回転のドコドコ感を楽しむ。
その状態から、少し大きめにアクセルを開けると、ゆっくりと、しかし力強く加速する。
狭い交差点での小回りでも、その挙動は安定していて、不安を感じることはない。

今回の試乗は、ショップの周辺をほんの一廻りしただけだったが、自然の中をゆったりと走ってみたいバイクである。


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