2011年夏、会社の友人で元上司のY氏を誘い、2台のスポーツスターを連ねてツーリングに行くことになった。
3年前、私が大型二輪教習に通いだし、免許を取り、そしてスポーツスターを手に入れた時に、最も羨ましがっていたのが、当時の私の上司のY氏である。
その後、異動やなんかで顔をあわせる機会も減ったのだが、ある会議で同席した時に、「今、教習所に通っていて、バイクは883を既に購入済で…」と、満面の笑みで話しかけてきて、「ぜひ一度、一緒にツーリングに!」となったのである。



行き先は丹後半島。
集合場所は、Y氏の住むA市と私の住むN市からほぼ等距離で、丹後半島に向かう合流点にある、道の駅。
7時すぎ、先に着いたのは私、黒の1200R。
しばらくして、Y氏。
鮮やかなブルーの883。
「程度の良い中古車が見つかった」とは聞いていたが、なるほど、手入れも良く非常に美しい。
shuugou
バイクを停めてサイドスタンドを出し、ヘルメットやグラブを外す間のアイドリング。
『ドッドコドッドコ…』
これは!
例の、あの、憧れの『3拍子』ぢゃないか!
私の愛車、インジェクション仕様では不可能な…
羨ましすぎる…

Y氏の「おはよっス!」に返す私の挨拶は、「うーん、キレイじゃないですか。それに、やっぱ、キャブはいいっスねぇ!」だった。


8時前、出発。
Y氏は関東の出身で、こちらに赴任して十数年になるとはいえ、このあたりの土地にはあまり詳しくはない。
必然的に私が案内役的な流れになり、この先のルートと見処を軽く説明してスタートする。
ミラーに映るY氏の走りは…そっくり返って足を開き、股間に風を送り込む、「これぞスポスタ」スタイル。
少し股を開いて真似てみるが、やはりRのポジションではしっくり来ない。
で、おとなしく、元のニーグリップのスタイルに戻す。

福知山から、酒呑童子、鬼伝説の町、大江へ。
大江町域に入ると、至るところに鬼がいる。
第三セクター、北近畿タンゴ鉄道の大江駅。
ここの駅前広場は、鬼をテーマにした公園になっており、鬼の像や全国の産地から集めた鬼瓦の展示などが見られる。
駅の売店も、鬼のグッズなど、ちょっとした土産物屋である。
この他、少し走ったところには「鬼の交流博物館」なるものもあるが、開館時間まで間があるので、今回は見送ることにする。
大江山スキー場に向かう登りのワインディングで、前方にソロの女性ライダーをハッケン。
ヘルメットの後ろになびく茶色の髪がカワイイ。
追いついて見ると、リアシートにネットで固定した荷物が横にズレて、今にも落ちそうな状態。
横に並んでクラクションを鳴らし、荷台を指差して合図を送るが…
えっ?
何?その視線。
なんか、警戒されてる?
すぐに荷物に気づいたようだが、なんだかなぁ…


9時すぎには、天橋立着。
駐車場のオバちゃんに聞くと、名物「股覗き」のビューランドに登るリフトやモノレールは、既に朝早くから動いているとのこと。
バイクを駐車場に預けて乗り場へ向かう。
ここで迷わずモノレールのホームに向かうY氏。
何という理由もなく勝手に「リフト」と思い込んでいた私、「え?そっちですか?」
「ダメですよ。リフトなんて危ない危ない!」
どうも、高所恐怖症らしい…
とは言え、そうして乗り込んだモノレール、車内は冷房が効いており、快適そのもの!
山頂駅に着いても降りるのを止めようかと…
山頂では、大いに照れながらも、お約束の「股覗き」など、しばし、ベタな観光地気分を楽しんだ。

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次はいよいよ、この日のメインとなる伊根に向かう。
天橋立駅を出てしばらく、国道と鉄道が並走する。
平日とあって列車の乗客は少ないが、中の一人、小学生ぐらいの男の子が、バイクに向かって手をふってくれているのに、こちらはピースサインで答える。

R178で阿蘇海をまわり、若狭湾に出て、丹後半島を北上する。
海沿いの景色を楽しみながら30分足らずで、伊根。
港にバイクを停め、舟屋の風景に見入る。
小さな入り江の対岸の舟屋群を、海側から間近に見ることができる絶好のポイントで、旅行ガイドやパンフレットに載っている写真も、ほとんどここからのものだ。

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伊根の道の駅で食事の後、しばらく国道を外れ、海岸沿いを走る。
このあたり幾重にも重なる棚田の風景が美しい。
次の目的地、経ヶ岬灯台に向かうが、何度か来たことのあるはずの入り口が見つからない。
さらに次の目的地のはずの、丹後松島あたりまできて、通りすぎたことに気付いて停車すると、Y氏
「さっき、経ヶ岬入口って標識あったよ。」
「え~、見過ごしたんスかねぇ。すみません…って、言ってくれればよかったのにぃ。」

で、引き返して、駐車場にバイクを停め、灯台まで歩く。
暑さもあり、かなりハード。
駐車場に戻り、自販機に行くが、稼働しておらず、少し走り、自販機を見つけ、ようやく飲み物にありついた。

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海岸線のきれいな景色を楽しみながら、丹後松島、道の駅てんきてんき丹後と進み、ここでも水分補給。
強烈に暑く、止まるたびに何か飲んでいる。
元々の計画では、このあたりから帰路につくはずだったが、相談の結果、思いきって久美浜まで行こうとなった。
途中、道がわからなくなり、想定とは逆に、時計回りに久美浜湾を回ることになった。
この混乱のせいで、残念ながら、新しくできたという道の駅、SANKAIKANは行けなかった。

網野まで戻ったところで、道端に大きな土産物屋を発見。
「ちょっと寄っていきたいんですが。」と話したところ、Y氏も、こういうのは嫌いじゃないとのこと。
それぞれの自宅に買ったおみやげは、最近の「ゆるキャラ」っぽい饅頭。
実はこれは、Y氏のお勧めで、最近、某テレビ番組で紹介されていたらしい。

帰路は、峰山で少し渋滞した他は快走。
加悦から福知山を経て、集合地に戻ったのはは5時半。
ここでも水分補給し、一休みして解散。
楽しいツーリングであった。



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