5年前、人生2度目のバイクを・・・スポーツスターを手に入れた時、こんな文章を書いてました。
今、読み返すと、かなり痛い・・・恥ずかしいところや勘違いな部分もありますが、当時、どんだけ舞い上がってたかがよくわかるってことで、敢えてそのまま載せておきます。
あ。
もちろん、「今でもスポーツスター大好き!」ってのは変わっていませんよ。


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やっぱり、スポーツスターを選んでよかったって思ってます。
他の人で、リターンしようと考えてる人には、お勧めしてもいいと思うぐらいに。
もちろん、バイクなんて好みは人それぞれで、「お勧め」なんて大きなお世話だって、百も承知なんですけどね。
それでもってぐらい惚れ込んだってことだと思います。

僕の場合、やっぱり「ハーレー」って名前には大いに魅力がありました。
「バイク乗ってるんですって?」
「うん。若い頃乗ってて、最近また始めたんですよ。」
「へー、どんなの乗ってるの?」
「ハーレーですわ。」
ってね。
このわかりやすさは、ハーレーならでは。
たとえBMWでも、ココだけは、こうはいかないでしょう。
下手すると、
「へー、ビーエムってバイクも作ってるんですか?」
とか言われかねないですね。
このわかりやすさに対抗できるとしたら、
「ナナハンです」
ぐらいなんだけど、「ナナハン」って言葉の神通力が通用するのも、僕ら世代まででしょうし。
やっぱり、良くも悪くもハーレーっていうのは「誰もが知るキング・オブ・バイク」なんですよ。


でまぁ、そういった、ある意味「姑息な」話はこれぐらいにして、実質的な良さについて考えてみます。

どれもよく言われてる事ばかりなんですけど。
まずは、やっぱり「飛ばさなくても楽しいバイク」「低回転でのトルクを楽しむバイク」ってことです。
こう言うと、必ず
「飛ばさないじゃなくて、飛ばせないでしょ!」
って、ツッこんでくる人が現れるんですけどね。
まぁ、確かにそのとおりではあるんです。
ハーレーが鈍足なのは間違いない事実ですから。
とにかく、早め早めのシフトアップで、エンジンの低回転域を使ってドコドコ走る…これがハーレーの醍醐味です。
たとえ、スポーツスターでもです。
ただ、飛ばせないとはいっても、それはあくまで他のスーパースポーツとかのバイクと比べての話です。
そこは1200ccもある大型バイクなわけで、制限速度以上のスピードなんて、いとも簡単に出てしまいます。
スタートダッシュで四輪を遥か後ろに置き去りにするなんてのも、普通にできます。
だからやっぱり、「飛ばさなくても」なんですよ。
このスタートダッシュですが、スポーツスターでは、けっこう色々楽しめます。
思い切って積極的にアクセルを開けてやると…それでも、5000回転ソコソコで頭打ちなんですけど…けっこう鋭い加速を楽しめます。
少なくとも、400ccクラスに簡単にぶっちぎられるほど遅くはないです。
(あくまで「簡単には」です。本気で張り合えばもしかしたら…)
逆に、ほんの少しだけスロットルを開けて、1500回転あたりでクラッチをあわせてやり、そこからグワッとアクセルを開けてやると、これがけっこう楽しいんですよ。
どどどどど…って感じの、力強い、荒々しい加速とでもいうのでしょうか。
物凄い力で地面を蹴飛ばして加速する…もう、快感、病みつきです。
こればっかりは、同じハーレーのビッグツインともひと味違いますし、883では迫力不足です。
豪快な加速感はスポーツスター1200ならでは…ですよ。

もちろん、単純に速さだけを言えば、DOHCマルチが速いにきまってます。
どこまでも力強く、グングン回転が伸びて行く…昔、DOHCが流行り出した頃、「カムに乗る」っていう表現がありました…そんなスーパースポーツの速さ、快感は望むべくもないのですが、それとは異質の面白さがあるんです。
こればっかりは、好みの問題ですから、もう、これ以上は説得の仕様もないですけどね。
もちろん、スポーツスター以外…国産の大排気量ツイン(ほとんどはアメリカンですね)なんかでも、低回転でのダッシュが楽しいバイクはあるとは思いますが。
もうひとつ、走りでいえば、ギアチェンジをサボって、アクセルの開閉だけでドコドコ走るのも、ハーレーの楽しみかたです。
最もおいしいところは、例えば、トップギアだと50~70km/h、回転数で1500~2000rpmあたりになります。
このあたりで加減速を繰り返しながら…もちろん、加速時の「ドドドドド…」というのを楽しむわけです。
足先から腰、背筋を通り、頭の天辺まで、そして、腕から手の先まで、独特の強烈な微振動を感じながらの走りは、快感以外の何物でもありません。
これを鼓動感というのでしょうか。
その味を知ってしまうと、他のバイクでは頼りなくて満足できなくなってしまいます。
普通に考えれば、バランサーで振動をキレイに消した、スムーズなエンジンが良いにきまってるんですが。

次に、ハーレーの魅力といえば、やっぱり振動ですね。
バランサーなしの大排気量ロングストロークのツインなんて、他にはそうそうあるもんじゃないですし。
よくできた国産のアメリカンやバーチカルツイン…トルク感と鼓動感を演出した味わいバイクとは別次元の、不出来なエンジンです。
これが許容できるかどうか…というよりも、好きかどうかなんですから、理屈じゃないとしか言えないですね。
僕なんかは、フレームのなかでガチャガチャ音をたてて震えるエンジンが、やんちゃぼうずみたいでかわいくてしょうがないんですよ。
ずっと走っていて、信号で停止した時なんか、タンクに頬擦りしたくなってくるほどです。

思えば、ハーレーの展示会で、はじめてハーレーに跨ってエンジンをかけさせてもらった時の驚き…
「なんだコレはぁ!」って感じで、まさにハーレーに『してやられた』瞬間でした。

よく「鼓動」ということは言われるし、もちろんこれこそがハーレーの良さです。
が、鼓動という言葉だけでいえば、いい感じを出してるバイクは、他にもいっぱいあるわけです。
ボンネビルなんかも試乗してみました。
雑誌で「スムーズによく回るエンジンで、往年のボンネビルの鼓動感など期待しないほうがいい」みたいな批評を見たことがあります。
試乗の時、ディーラーでも、期待しすぎないようにクギをさすような感じで、似たようなことを言われましたが、そんなでもなかったですよ。
大きくはないですが、「トトトトト…」って、いくらか硬質で等間隔のリズミカルな…機械的な鼓動と感じました。
もうひとつ、ダブロクのは、もっと静かで、「ボボボボボ…」と、ボンネよりも丸みのある、弾力性のある鼓動と感じました。
一方、スポーツスターのは、
「ドンドドドドドドドンドン…」
不整脈とでも言うか、生き物っぽさを感じますね。
さらにそれに、ガチャガチャというOHVならではのメカノイズが混ざるわけです。
走っているときはもちろん、信号で止まっているときなんかも、ついついアクセルを煽ってしまったりします。

この3車、どれも素晴らしい味わいで、実際、どれにしようかけっこう迷いました。

「鼓動」から「音」の話になってきました。
バイクと言えば、多くの人が「排気音」を楽しむわけで、中でもハーレーにはその楽しさを求める人は多いと思います。
しかし、実際のところ今のスポーツスターは静かです。
今のバイクの中では大きいほうかもしれないですが、基本的には静かなもんです。
まぁ、僕の場合は音にはあまり拘りがなく、どちらかというと静かなほうが有難いと思うぐらいなんですけどね。
僕の場合、早朝に走ることが多いんですが、マンション住まいなんで、音にはけっこう気を使うんですよ。

また、話は走りのことに戻ります。
スポーツスターはワインディングなんかもけっこうイケますよ。
軽快にヒラリヒラリ…とは言えませんが、コーナー出口での荒削りな加速感なんかは、SSとはひと味違った快感です。
もちろん、絶対的な速さを競えるようなものではないですが、けっして鈍足などではなく、それなりに速いと言えます。

まあ、何にしても、飛ばして楽しむバイクじゃないことは事実なんですけどね。
ワインディングとはいえ、まわりの景色を楽しみながら、時々…興が乗った時にはちょっとだけ攻めてみることもできる…そんな感じです。

次に、よく話題になる、ビッグツインとの比較です。
「スポーツスターはビッグツインと比べるバイクではない。ハーレーの入門用としてまずはスポーツスターとか、値段の都合でスポーツスターでガマンするとかなら、少々無理をしても、始めからビッグツインを選ぶべき。」
というやつです。
やっぱりこれは、かなり真実だと思います。
というよりも、スポーツスター好きの僕としては、そんな理由でスポーツスターを選ばれるのは面白くない…という気持ちもあるんですけどね。
ハーレーというと、普通は、他を圧倒するあの威圧感を伴ったデカさと、絶大なトルクを思いうかべます。
バイクに乗らない人、バイクをあまり知らない人のイメージはたぶん、これです。
「ハーレーがほしい」と選ぶ人のイメージも、その出発点の多くはこれだと思います。
「ハーレーだ!文句あるか?」って感覚ですね。
(それがいいかどうかはともかく。ちょっとイタい?)

で、ディーラーに行き、実車を見て、またカタログや雑誌等を見て、実際に検討を始めると、スポーツスターが浮上してくるんですね。
「え?これ、安いじゃん?」
「1200ccもあるんだし、低速も利きそうだし、何より扱いやすそうだし、いいんじゃないか?」です。
この感想、全部正しいと思います。
白状すると、僕の思考過程もこうだったです。
もっと言えば、ビッグツインの値段なんて、僕にとってはハナから現実離れしてましたから。
雑誌の特集でスポーツスターの存在を知り、価格を見て、「これなら自分でも手が届くんじゃないか!」でした。

ここで、迷うんですね。
で、やっぱり、ハーレーの大きさ、低速の粘りに魅力を感じる人は、スポーツスターに流れると…敢えて言えば、スポーツスターでガマンしようとすると、後悔することになるんでしょうね。
やっぱり、ビッグツインとスポーツスターは別物なんですよ。
あの、押し出しのきくデカさっていうのが、スポーツスターには皆無ですから。

低速トルクは、確かにスポーツスターでもかなり強烈なトルクを楽しめるんですが、ビッグツインみたいな図太さや粘りを求めても無理なんですよ。
やっぱり、あの大きなフライホイールマスは、ビッグツインの十八番なんです。
スポーツスターは、やはりスポーツですから、いくらかは「吹け上がり」的なものを求めてるんですね。たぶん。
そのために、あのフライホイールマスは取らなかったんだと思います。

結局スポーツスターは、他のハーレーと比較して選ぶバイクじゃないってことなんですね。
敢えて比較するとしたら、さっきの、ボンネやダブロク、場合によっては、SRなんかも対象になるのかもしれません。
実際、スポーツスターの…特にRのポジションは、全然アメリカン…クルーザーじゃないですしね。

なんか、書いてることが矛盾だらけになってきました。
ビッグツインと比べてはいけないとかいいながら、自分は比べてて、挙句に、比べるのが当たり前みたいな書きっぷりですね。
ましてや値段については、2倍から3倍近くも違うわけで、値段で選んじゃいけないなんて、戯言もいいところ…どんだけ金持ちなんだよ…ってことですしね。

結論は。
比べるのは無理がある別物だけど、やっぱり値段のこともあるし、「ハーレー」というネームバリューもあって、比べてしまう。
その結果、僕はスポーツスターを選んで、結果的にはよかったと思っている。
まぁ、こんなところでしょうか。

最後に、スタイル・外観の話です。
08モデルから、1200はタンクが大きくなりました。
883の小型のタンクこそがスポーツスターで、これがカッコいいという意見はけっこう多いみたいですね。
僕もそう思ってました。
でも、ストレッチタンクもいいもんですよ。
これのおかげで、ボディが一回り大きく立派に見えるってこともありますし。
やっぱりどこかで、未だにビッグツインと比べてしまってるんでしょうか。
とにかく、悪くないです…と思ってます。
何といっても、+4.5リットルで航続距離が100km以上も延びるのは間違いなく有難いことですから。

ところで、ハーレーといえば当然アメリカンスタイルの本家本元なわけですが、さっきも言ったとおり、スポーツスター、特にロードスターについていえば、全然アメリカンじゃないわけで、実際のところ僕の場合は、普通っぽいというのもスポーツスターを(1200Rを)選んだ理由です。
もちろん、LやCモデルなんかは明らかにアメリカンですし、ナイトスターなんかはカスタムっぽくて、すごくカッコいいんですけどね。
僕の場合は、「普通っぽいR」を選んだのですが、Lのキレイなシルエット、バランスの良さは大いに魅力的でした。
最終的にRとLで迷い、結局は、スタイルの良いLよりも、アメリカンぽくないポジションにダブルディスクとタコメーターが決め手で、Rにしました。
どうも、アメリカンがいいのかイヤなのか、よくわからなくなってきました。
つまるところ、僕の場合はアメリカンかどうかはそれほど重要ではなく、カッコいいかどうかが重要で、そしてそれ以上に、機能、性能面が重要ということなんだと思います。
あ…、「機能、性能で選んで、なんでハーレー?」っいうのはあるんですけど、ここのところは、ハーレー乗りの方ならわかってもらえると思います。


以上、思い付くままに、バイクに対する思いを、スポーツスターに対する思いを書いて見ました。
人生の後半に入って久しいこの時期に、バイクの世界に返り咲き、再び青春の夢を再現してくれるスポーツスターを、この先、一生の相棒として、いつまでも大切に付き合っていきたいと思っています。



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